fatale in the cassette.作者:■■■■■■
タイトル | fatale in the cassette.(ファタール イン ザ カセット) |
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舞台 | 近未来 |
人数 | 1人(+KPC)・新規継続問わず |
時間 | ボイスセッションで2時間半~3時間 |
探索者条件 | アンドロイド探索者限定 |
必須技能 | 〈コンピューター〉もしくは〈機械修理〉 |
推奨技能 | 〈探索技能〉〈交渉技能〉 |
舞台はアンドロイドが日常的に普及している未来の世界。
土砂降りの雨によって世界が灰色に支配された、そんな梅雨の最中。
アンドロイドである探索者は、過ぎ去った技術であるカセットテープを手に入れる。
PL・KP向け事前説明
・継続探索者を前提としているが、新規探索者も可能
・KPCが登場するソロシナリオであり、タイマンシナリオではない
・KPCはPCのパートナーで、人間である必要がある
・PCとKPCはお互いを信用し、必要とし合っている関係性であると良い
・ある程度、臨機応変にRPをコントロールできるプレイングを推奨する
・ココフォリアのラベルと値によるPC・KPC名前自動変換に対応している
※トレーラー・素材等は個人頒布時に実装します。個人頒布版は文章などが変更されている場合があります。
冒頭
『Plays back video data stored in the memory.』
(メモリーに保存された映像記録を再生します)
『Loading...』
(ロード中)
【2xxx / June / 16 / 12:15】
馴染みのある街。絶え間ない雑踏の中で、君は空と雲の流れを見ていた。無数に浮かぶ綿のような雲たちに時折遮られつつも、太陽が僅かに顔を覗かせている。梅雨入りを果たした近頃ではなかなかお目にかかることができないスカイブルーの空だ。今日ばかりは陽光が街に降り注いでいる。
眼球の形をしたカメラで空を眺めていると、陽光によって生じたレンズフレアが視界の中に映りこむ。太陽をいくら眺めていても、人間のように目が眩むことはない。なぜなら君は科学技術の結晶であるアンドロイドだからだ。
「{PC}!」
君の名が呼ばれる。君が良く慣れ親しんだ声で。
騒がしい街の喧噪の中でも、その声は最優先に認識された。
そして{PC}のパートナーである{KPC}が、親し気に背後から肩を組んでくる。
「待たせて悪かったな。はぁ、めんどくさい先輩に捕まってたらこんな時間だよ…」
{KPC}は少しうんざりとした表情でため息をつく。
君は、一緒に昼食を食べに行こうと約束していた{KPC}を待っていたところなのだ。
「せっかく晴れてるし、歩いていくか」
「どこか良さそうな店を探してくれるか?」
〈目星〉or〈図書館〉or〈コンピューター〉
成功:現在地から徒歩6分のところに、新しく○○(KPCの好物)の店ができたらしい。今であれば待ち時間もさほどかからないようだ。
▼ 提案する
「へぇ、それいいな!俺の好みで探してくれたのか?ありがとな」
「じゃあ、そこまで道案内頼んだぞ」
安さにこだわった大衆的な雰囲気の店ではなく、洒落たカフェのような、インテリアにこだわりを感じる店だった。
ライトグレーの壁には著名なアーティストによるウォールアートが描かれていて、注文を終えた客が思い思いに写真を撮っている様子だ。
出入口で待っている君たちの元に黒いエプロンの店員がやってくる。
「テーブル席とテラス席がお選びいただけますが、どちらにいたしますか?」
「テラス席はアジサイが見頃となっておりまして、おすすめですよ」
▼テラス席にする
店員に案内されたテラス席では、手毬のように愛らしい丸みを帯びたアジサイの花壇を眺めることができた。
風が吹き抜け、雲が陽光を遮るおかげで、テラス席でも気温と湿度を気にすることなく{KPC}は快適に過ごせそうだ。そう{PC}は判断するだろう。
▼注文する
店員は注文を承ると、厨房へ戻っていった。
注文の品を待つ間、そういえば_と{KPC}が話を切り出す。
「{PC}は最近困ってることとか、不調とか、そういうの無いか?」
「いきなりこんなこと聞いてごめんな。こういう記事を見かけたもんだからさ」
{KPC}が携帯端末を操作し、とあるネットニュースの記事を共有する。{PC}の頭部に搭載されているコンピューターに向けて情報は送信されるため、君は携帯端末をいちいち取り出す必要はない。
ネット回線を用いてサーバーから情報をダウンロードし、それを表示するまでに一秒もかからなかった。